手で仕上げるから、服の状態が見える。池田クリーニング商会・池田拓真さんの仕事
2026.08.21
Relay From 勝山接骨院の勝山さんからご紹介いただいたのは、池田クリーニング商会の池田拓真さん。
池田クリーニング商会は、中野市で洋服や布団などのクリーニングを行っています。一般のお客様の衣類だけでなく、事業者の作業服なども扱い、近隣市外にある事業者の方とも昔から継続して取引があります。
池田さんは、一度はクリーニングとは関係のない分野に進んでいました。けれど、祖父と父で続けていた家業を、この先父一人で担うことになるかもしれない。そう考え、覚悟を決めて家業を継ぎました。
池田さんが大切にしているのは、手作業で仕上げることです。機械任せにせず、一枚ずつアイロンをあてながら、生地の傷みやシミの状態を見ていく。きれいにすることと、これ以上傷めないこと。その間で判断しながら、服に向き合っています。
父一人になるかもしれないと思い、家業を継いだ
Q. 池田クリーニング商会では、どんなお仕事をされているのでしょうか。
A. 洋服のクリーニングと、布団なども含めたクリーニング業を営んでいます。
お客様は一般の方もいらっしゃいますし、会社の作業服なども扱っています。事業所は中野市内ですが、市外の事業者の方も昔から継続してお取引いただいているところもあります。幅広いお客様にご利用いただいていますね。
Q. クリーニングの仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
A. もともと、クリーニングとはまったく関係ない分野で専門学校に通っていました。
ただ、うちは家族経営です。祖父と父の二人でやっていたのですが、祖父ができなくなったことで、父一人になってしまうかもしれないという状況でした。
それで、覚悟を決めて家業を継ぐことにしました。
Q. お店自体は、祖父の代から続いているのでしょうか。
A. はい。祖父の代からです。
実際にはもっと前からあって、従業員がいた時代もあったと聞いています。その後、祖父が引き継いで、現在の家族経営になったということです。
Q. 家族だけで続ける大変さもありますか。
A. 従業員の方を雇うとしても、それぞれ良い面もあれば大変な面もありますから。うちは今のところ家族で経営しているという感じです。

池田クリーニング商会を継いだ経緯と、手作業へのこだわりを伺いました。
手作業で仕上げるから、服の状態が見える
Q. 仕事をするうえで、大切にしていることはありますか。
A. 手作業で仕上げることです。本来なら、機械でバーッと膨らませたり、蒸気を当ててプレスしたりする方法もあります。でも、うちは自分の手作業で、アイロンを使って全部仕上げています。
Q. 手作業にこだわる理由は何でしょうか。
A. 手作業でやることによって、生地へのダメージや傷みの程度を確認しながらできるからです。機械に入れてしまうと、わからないことがあります。自分でアイロンをあてながら見ていると、「ここは傷んでいるな」とか、「これ以上やると危ないな」ということがわかります。
Q. きれいにするだけではなく、傷めない判断も必要なんですね。
A. そうですね。修繕までは行っていませんが、それ以上広げないようにすることは心がけています。これ以上やりすぎると危ないな、広がってしまうなという部分を個々に判断して、ですね。
生地を傷めることなくきれいにしていく、手作業で仕上げているからこそできる部分です。
シミが少し残ると、やっぱり悔しい
Q. クリーニングの仕事で、難しいと感じることはありますか。
A. シミ抜きはやはり大変なんです。そのシミに合った洗剤を使ってやらないといけません。少しだけ残ってしまうと、どうしても気になってしまって。どうにかしてきれいに落とせないかなと思います。
Q. シミが残ってしまうと、悔しい気持ちになるんですね。
A. はい。中には衣類への傷みなどを考慮すると、どうしても落としきれないこともあって。それはちょっと悔しいですね。作業着に関しては、「汚れていてもいいよ」と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。そう言ってもらえるのはありがたいです。
でも、思い入れのある服であるほど、どうにかしてあげたいなと。
Q. 汚れに関する知識は、どのように学ばれているのでしょうか。
A. 基本的には、クリーニング協会というものがありまして、そこで情報共有されています。こういう汚れが多いよとか、そういった情報もあります。そういうところで、しっかり学んでいます。
シミにもいろいろな種類があるので、何でも同じようにやればいいわけではありません。
Q. 家での対応で、気をつけた方がいいことはありますか。
A. よく、お家での洗濯とか手洗いの場面で擦ってしまうことがあると思いますが、実は、擦っちゃダメなんです。汚れを落とそうとして擦ると、生地を傷めたり、シミが広がったりすることがある。
お家でできる対応もありますが、生地にあった方法でないとむしろ傷めてしまうこともありますので、そういうときにご相談いただければなと。ケースに応じて伝えられることもありますので。

一枚ずつ手でアイロンをあてながら、生地の状態を確認して仕上げています。
コインランドリーだけではできないことを、若い人にも伝えたい
Q. 今後の展望についてお聞かせください。
A. 今、うちのお客様は祖父の代からのお客様も多くて、年配の方が結構いらっしゃいます。
若い人たちは、今はコインランドリーも身近になってきていますから、そちらに行くことも多いと思います。でも、コインランドリーだけではできないこともありますから、その部分で力になれるということを伝えていければと考えています。
Q. クリーニング店ならではの部分を伝えていきたいということですね。
A. そうです。服の状態を見たり、シミや傷みに合わせて判断したりすることは、コインランドリーではなかなかできません。
手で仕上げているから見えることもあります。若いお客様にも、そういう部分を知ってもらって、利用してもらえたらと思っています。
Q. お店としては、今後大きくしていきたいというより、地域の中で続けていきたいという感覚でしょうか。
A. そうですね。あまり大きくしようとは思っていません。地域に密着してやっているということは変えずに、地域に寄り添ってやっていければいいかなと、ずっと思っています。昔からのお客様もいますし、会社の作業服などで継続してお取引いただいているところもあります。そういう地域との関係を大切にしながら、続けていきたいです。

祖父の代から続く池田クリーニング商会。地域のお客様に寄り添いながら営業しています。
編集後記
池田さんの仕事は、服をきれいにするだけではなく、これ以上傷めないために見る仕事でもありました。
手で仕上げるから、生地の状態がわかる。シミが残れば悔しいし、思い入れのある服ならどうにかしたいと思う。
コインランドリーが身近になった今だからこそ、クリーニング店に相談できることを伝えようとしているのだと感じました。
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仕事柄アイロンがけで中腰になったり、長時間立ちっぱなしになったりすることが多いので、無理なく仕事を続けていくための姿勢や腰・背中のケア、立ち仕事での体の使い方について相談できる方がいれば、ぜひつながってみたいですね。
また、趣味でサバイバルゲームもしているので、一緒に遊びに行ける方や、共通の趣味として話せる方とも出会えたら嬉しいです。
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