故郷の土に還り、未来を耕す。Abe Farm 阿部達也が紡ぐ、家族と地域への想い

2026.03.06

Relay From FOCUS N3編集長からの最初のバトンを受け取り、Abe Farm合同会社の代表社員、阿部達也さんにお話を伺いました。

北信濃の豊かな自然の中で、代々受け継がれてきたぶどう栽培。Abe Farm合同会社の代表社員を務める阿部達也さんは、その伝統を守りながらも、現代のライフスタイルに合わせた新しい農業の形を模索しています。一度は都会での生活も経験した彼が、再び故郷の土へと戻り、家族とともに描く未来とは。地域への深い愛情と、温かい人間味が滲み出る阿部さんのストーリーに迫ります。

北信濃の豊かな恵み、Abe Farmのぶどう

Q. まずは、現在のお仕事について教えていただけますか?

A. 私たちは、ぶどうの生産販売を行っています。この北信濃の地で、代々受け継がれてきた農家として、美味しいぶどうを皆様にお届けできるよう、日々努力しています。

代々続く農家の道、そして新たな挑戦へ

Q. 阿部さんがこの仕事を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

A. 私の家は代々農家なので、学生の頃からいずれは家に入ろうと考えていました。兄もいますが、彼が継ぐという感じではなかったので、私がその役割を担うことになったんです。高校は須坂園芸高校で農業を学び、その後は農業大学校で果樹の専門知識を深めました。特に土壌について深く学びたかったんです。父がぶどうを作っていたので、同じやり方では父を超えられないと思い、別の角度からのアプローチが必要だと感じていました。卒業後は、一度野菜農家で3年間、野菜栽培の経験を積みました。将来は家に戻ってぶどうを作るつもりでしたから、そのための準備期間でもありましたね。

都会での挫折と、故郷で掴んだ確かな道

Q. これまでの人生で、特に印象に残っている「壁」や「挫折」はありますか?

A. 農業大学校に入る前、実は東京農業大学に進学したのですが、半年で退学してしまったんです。東京の空気や、人がうじゃうじゃいる環境がどうにも合わなくて。高校の頃は公務員や農薬の会社も考えていたくらいで、都会での生活は自分には向いていないと感じました。目標もなく、一時的に「ぷーたろう」状態でしたね(笑)。

Q. その大きな壁を、どのように乗り越えられたのでしょうか?

A. 東京から帰郷して、どうしようかと迷っていた時、親が何気なく「農業大学校に行ってみたらどうだ」と言ってくれたんです。実は親もそこの出身で。当時は家を継ぐことを明確に決めていたわけではなかったかもしれませんが、その一言で進学を決め、農業大学校で学ぶうちに、家業を継ぐことを真剣に考えるようになりました。

仕事と家庭のバランス、未来へ繋ぐ新しい農家の形

Q. 仕事をする上で大切にされている「こだわり」や「ルール」があれば教えてください。

A. 今は家庭もありますから、家族との時間を大切にしています。親の世代は仕事一筋で、農家は土日も関係なく働くのが当たり前でした。冬は比較的暇ですが、忙しい時期は毎日畑に出ていましたし、夏休みに家族旅行に行った記憶もほとんどありません。でも、今はそういう時代ではないと思うんです。子どもたちのためにも、土日の半日でもいいから家族のための時間を作るようにしています。妻と3人の子どもがいますから、彼らとの時間は私にとってかけがえのないものです。

それぞれの個性が輝く地域へ

Q. この北信地域を、これからどんな場所にしていきたいですか?

A. 日本の田舎はどこも似たような景色に見えてしまうことが、個人的には少し寂しいと感じています。それぞれの地域には、その土地ならではの特色があるはずです。それらを守り、残していきたい。便利さを追求すると、どうしても均一化されてしまうのかもしれませんが、例えば海外や県外から訪れた人が「この地域ならではの魅力がある」と感じられるような場所であってほしい。特色は、これからの時代にこそ必要だと考えています。

JCメンバーとAbeFarmの農園にてBBQを楽しむ阿部氏

阿部さんの言葉からは、故郷の土への愛情と、家族を慈しむ温かい眼差し、そしてこの地域が持つ本来の魅力を未来へと繋いでいきたいという強い意志が感じられました。北信濃の豊かな自然の中で育まれるAbe Farmのぶどうが、これからも多くの人々を笑顔にすることでしょう。

We Can

農家全般の知り合いが多く、幅広いネットワークで人をつなぐことができます。JA青年部の役員も務めてきたので、顔も広いと自負していますね。

We Want

フットワークが軽い方を探しています。私は熟考して機動性が重くなりがちなので、後先考えずに突っ走ってくれるパートナーがいれば、もっと事業も地域も良くなるかもしれません。それと、IT関係に強く、SNSに精通している方もぜひ。今のSNSは妻が投稿してくれているので、専門家と一緒にさらに盛り上げていきたいですね。

Next Relay

このバトンが、次へつながる。

仲條建築 仲條 友章さん

我が家をつくってくれて、いまでも連絡を取り合う仲です。

荻原農園 荻原 和博さん

同業でJA青年部で共に活動しています。

きのこの森有限会社 霜鳥 匠さん

JCでともに活動しています。

牧野農園 牧野 剛さん

農協青年部で役員を同期として務めてきた仲間です。地域のイベントなども企画・運営されていて、そのリーダーシップや行動力に刺激を受けています。