「正しい」よりも「楽しい」を。教員から転身、遊びの延長線上で事業を広げる頓所さんの自由な生き方

2026.04.20

Relay From 萩原左官の萩原康さん、萩原さんとは以前から仕事での繋がりがあり、YEGの活動でもご一緒していたそうです。

中野市で不動産業と建設業のほか、カフェや民泊などを営む「株式会社TONDOKORO」。リフォームや分譲住宅、インフラ設備の修繕まで幅広く手がけていますが、代表の頓所陽生さんは、それらを「仕事」という枠だけで捉えていない、少し変わった経営者です。教員からキャリアをスタートさせながらも、自らの直感を信じて進んできた頓所さんの、自由で気負わない考え方を伺いました。

「自由な時間」を求めて、教員から不動産の世界へ

Q. 異色の経歴をお持ちですが、現在のお仕事を始められた経緯を教えてください。

A. もともとは教員をしていたのですが、着任して2週間で「自分には向いていないな」と感じてしまったんです(笑)。両親も教員だったので「石の上にも三年」と言われて続けましたが、やはり適性がないことが自分の中でしんどくて。24歳で退職し、まずは電気工事の訪問販売などからスタートしました。

ただ、体を使う仕事はどうしても限界があります。教員時代に自信を失っていたこともあって、「自分の時間を切り売りして働くのは、もういいかな」と思うようになったんです。そこで、会社を作って人に動いてもらうか、投資をするかという選択肢の中で、最終的に選んだのが不動産投資でした。

最初は手元に資金もなかったので、まずは買える範囲の一軒家を購入して、自分で直して貸すところから始めました。今はリフォームの依頼も多くいただいていますが、基本的には「自由な時間を得ること」を一番の目的にして、ここまでやってきた感じです。

本人提供。水上で真剣に「遊ぶ」。

「挫折」は引きずらない。毎日を割り切って楽しむ

Q. 仕事や人生で「壁」にぶつかった時は、どう向き合っていますか?

A. 教員を辞めた時は、自己肯定感が削がれた感もありましたが、それ以上に「自由になれた!」という解放感の方が大きかったですね。僕のモットーは「正しいより楽しい」なんです。いつ死ぬかわからないんだから、やりたくないことに時間を費やすのはもったいない、と。

だから、仕事で辛いことがあっても「これは仕事だ」と割り切るようにしています。壁というものを、あまり壁だと思わないようにしているのかもしれません。お金がなくても、自由な時間さえあれば、それはそれで楽しいですから。あまり深刻に考えず、とりあえず毎日を楽しむことを大切にしています。

スノーモービルで遊んでみたり。マレットゴルフもよくやる遊びの一つ。

仕事はほどよく、遊びは真剣に

Q. 仕事をする上でのこだわりなどはありますか?

A. 正直、こだわりがないのがこだわりかもしれません(笑)。仕事と遊びの境界線が自分でもよく分かっていないんです。「仕事はほどよく、遊びは真剣に」という感覚で、面白そうな話があれば何でもやってみます。

最近は水上バイクで湖に行ったり、狩猟免許を取ってみたり。今やっているキャンプ場やカフェ、民泊の運営も、僕の中では遊びの延長線上にあります。郵便局の建物のオーナーをやってみるのも、単純に面白いと思ったから。基本的には、人から頼まれたことの中から、自分にできそうで楽しそうなものを選んで実行しているだけなんです。

経営する民泊施設の内観。不動産買取、リフォーム、活用を一貫して実施する。

みんながやりたいことをやるのが、一番いい

Q. これからの地域との関わり方や、未来のイメージはありますか?

A. 極論ですけど、みんなが稼ぐかどうかは別として、やりたい仕事をすればいいと思っています。パンを焼きたいなら、パンを焼く。みんながそれぞれの「楽しい」を優先すれば、もっといい世の中になるんじゃないかと。

僕自身、思いついたことはこれまで全部やってきました。「明日死んでも後悔はない」という心境で日々を過ごしています。今取り組んでいるキャンプ場や、中古の太陽光設備を使ったオフグリッド(自給自足)の試みも、自分にとっては大きな遊びです。これからも、遊び心を持ちながら、その時々で面白いと思うことに手を出していきたいですね。

キャンプ場予定地にて。「バックホー倒しちゃって、バックホーでバックホーを起こしてる様子」と笑う。トラブルも遊びの一部に変えてしまうのだ。

編集後記

「仕事はほどよく、遊びは真剣に」と笑う頓所さん。そのひょうひょうとした語り口からは、世の中の「当たり前」に縛られない、独自のバランス感覚が伝わってきました。「明日死んでも大丈夫」と言い切れるのは、おそらく、自分のやりたいことにどこまでも正直に、優先順位をはっきりさせて生きているから。つかみどころがないようでいて、その実、とてもシンプルで贅沢な人生の楽しみ方を教えていただいたような気がします。

We Can

麻雀などの遊びを通じた交流は大歓迎です。仕事の話から入るより、まずは一緒に楽しい時間を過ごせる仲間として、面白いことができればと思っています。

We Want

水上バイクやスノーモービルなど、面白い遊びを教えてくれる人と出会えたら嬉しいですね。あとはユニークな新規事業を考えている方がいれば、ぜひ話を聞いてみたい。僕に手伝えることがあれば、協力したいと考えています。

Next Relay

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原豆腐園 原隆一郎さん

保育士から家業に入られた、同級生で旧知の仲です。