ニュージーランドのカフェ文化を、山ノ内へ。Hillside Cafe・樽野晃弘さんの仕事
2026.09.08
Relay From 大西ぱんの大西さんからご紹介いただいたのは、Hillside CafeのChef、樽野晃弘さん。
ニュージーランドで14年間、シェフとして腕を磨き、パートナーの奥様はバリスタとして活躍。そんな異国の地で培った経験と、オセアニア独自のカフェ文化を携え、北信の地で新たな挑戦を始めた樽野さん。山ノ内の豊かな自然の中で、キッチンカーから提供されるコーヒーや焼き菓子には、これまでの日本のカフェにはなかった新しい発見が詰まっています。海外の文化と日本の魅力が交差する北信地域で、樽野さんが描く未来のカフェスタイルとは何でしょうか。
異国の地で培った14年間の経験
Q. ニュージーランドでの経験と、帰国・開業のきっかけを教えてください。
A. 私はシェフとして、妻はバリスタとして、ニュージーランドで14年間カフェやレストランで働いて技術を磨いてきました。元々はワーキングホリデーで英語や文化を学ぶために渡航したのですが、ビザの都合もあり、結果的に長く暮らすことになったんです。30歳からの挑戦でしたが、本当に楽しい日々でした。今、若い方で海外に迷っている方がいたら、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。私も妻も、現地で共通の友人を通じて出会い、お互いの実家が三重と愛知で近いという偶然もありました。
40歳を過ぎ、「そろそろ日本で新たな挑戦を」と考えていたところに、インバウンド観光客が長野で増えているというニュースを目にしました。特に山ノ内には、スノーモンキーや志賀高原スキー場があり、その可能性に強く惹かれました。ニュージーランドでの経験から、宗教上の食事制限に対応できる強みも活かせると思いましたし、日本ではまだ珍しい、オセアニアスタイルの料理やカフェ文化を提供できると考え、山ノ内への移住を決意しました。
山ノ内での新たな挑戦、キッチンカーから始まるカフェ文化

ニュージーランドでの14年と、山ノ内で始めたカフェについて伺いました。
Q. 現在のお仕事の概要と、山ノ内での挑戦について教えてください。
A. 7月からキッチンカーで、エスプレッソコーヒーと焼き菓子の製造販売を始めました。ようやく日々のルーチンが定まってきたところです。今後はテナントも見つけ、カフェとしての営業も本格化させたいですし、フードメニューも増やしていきたいと考えています。
開業当初は、資金面はもちろん、長年日本を離れていたため、ビジネスの手続きや地域のつながりを作ることに苦労しました。ニュージーランドにいた頃も、言葉や文化の壁、マイノリティとしての孤独を感じることはありましたが、いつも妻が支えてくれたからこそ、ここまで続けることができています。
山ノ内は、昔ながらの温泉街に暮らす地元の方々と、私たちのような移住者、そして増え続ける外国人観光客が共存する、二つの顔を持つ町だと感じています。観光業や農業のポテンシャルは非常に高いですが、町内の様々な組織がもっと繋がり、協力し合うことで、さらなる伸びしろがあると思います。最近の外国人観光客は、特定のスキー場だけでなく、志賀高原から飯綱、妙高まで車で移動するなど、広域での滞在を楽しむ傾向にあります。そうした長期滞在のお客様へのサポートも、今後さらに重要になってくるでしょう。
「まだ誰も味わったことのない」オセアニアスタイルの追求

Q. Hillside Cafeならではのこだわりや、提供されるものの特徴を教えてください。
A. 私たちのこだわりは、「信頼できる確かなものを常に提供する」こと、そして「まだ誰も味わったことのない新しい発見を提供する」ことです。提供するコーヒーも焼き菓子も、日本のレシピとは異なる、オセアニア独自のスタイルです。
焼き菓子は、バター、練乳、クリームをたっぷりと使った、大きくてボリュームのあるマフィンなどがメインです。オセアニアのベーキングは乳製品をふんだんに使うのが特徴で、その濃厚な味わいをぜひ体験していただきたいです。コーヒーは、エスプレッソマシンで贅沢に抽出するダブルショットが基本。ミルクたっぷりのコーヒーにも負けない、濃密な味わいです。妻はコンペティションでの入賞歴もあるバリスタで、特に名物のフラットホワイトは、コーヒーとミルクの絶妙なバランスを楽しめる一杯です。オーストラリアやニュージーランドで根付いている、カフェで日常的にコーヒーを楽しむ文化を、日本でも広めていきたいと考えています。
北信地域に新たなカフェ文化を根付かせる未来へ

Q. この地域で実現したい未来やビジョンを教えてください。
A. 海外から来る方にとって、バターやクリームを使った焼き菓子や、エスプレッソのコーヒーは、馴染みのある味でもあると思います。一方で、若い世代の方々には、これまであまり味わったことのない新鮮な味として楽しんでもらえるかもしれません。
外国人観光客には馴染んだ味を味わえて、若い世代の方々には新鮮な味わいを楽しんでもらえる。そういう、温かい憩いの場所を提供したいと考えています。
オセアニア諸国、特にオーストラリアやニュージーランドでは、カフェ文化が日常の中に根付いています。毎日同じ時間にコーヒーを飲みに来る常連さんがいるように、カフェが生活の一部になっているんです。
白馬や野沢、妙高といった地域でも、近年はオセアニアスタイルのカフェが増えています。北信地域でも、そうしたカフェの使い方が少しずつ広がっていけばいいなと思っています。
外国人観光客が増える中で、文化やルールの違いにどう対応していくかは大切なことです。その中で、Hillside Cafeも、海外から来る方にも地元の方にも使ってもらえる場所になれたらと思っています。
編集後記
「狭い場所にじっとせず、常に挑戦し続けること」。樽野さんの言葉からは、異国の地で培った柔軟な発想と、故郷ではないこの長野の地で新たな価値を創造しようとする熱い思いが伝わってきます。Hillside Cafeが北信地域にどのような新しい風を吹き込み、豊かなカフェ文化を育んでいくのか、今後の展開が非常に楽しみです。
関連リンク
We Can
エスプレッソコーヒーの提供
フラットホワイトなどオセアニアスタイルのコーヒー
焼き菓子の製造販売
キッチンカー出店
カフェ営業
フードメニューの提供
英語での接客対応
グルテンフリー・ビーガン対応
宗教上の食事制限への相談対応
インバウンド向け飲食対応
We Want
日本に戻ってきて、山ノ内で事業を始めたばかりなので、地域のつながりはまだ多くありません。テナント探し、仕入先探し、出店場所、事業の手続きや確定申告など、ひとつずつ学びながら進めています。
カフェとして店舗営業もしていきたいので、山ノ内周辺で良い物件や出店場所をご存じの方、地元食材や仕入先を紹介してくださる方とつながれたらありがたいです。
また、宿泊施設や観光事業者、農家さん、地域のイベントと連携して、海外から来る方にも地元の方にも楽しんでもらえる場をつくっていけたらと思っています。
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