食べられないものだからこそ、感動を届けたい。Hananono・江原宏晃が育てる芍薬の仕事
2026.08.09
Relay From 荻原農園の荻原和博さんからご紹介いただいたのは、中野市で「Hananono」を営む芍薬農家、江原宏晃さんです
Hananonoは、中野市で芍薬を中心に花を栽培する花農家です。江原宏晃さんが育てているのは、芍薬だけではありません。試験中のものも含めると、扱う花は40種類ほど。品種でいえば、その何倍もの花に向き合っています。
もともとは会社員。結婚をきっかけに、奥さんの実家が営んでいた花とキノコの農業に入り、就農して9年目になります。知識ゼロから始めた花づくりは、失敗も多かったそうです。それでも毎年少しずつ経験を積み、県内外の花農家を訪ねながら、自分の畑で実践してきました。
「食べ物じゃないんで、感動を届けたい」
花農家としての仕事と、この地域で花を作り続けることについて伺いました。
花のみの専業農家として
Q. まず、現在のお仕事について教えてください。
A. 芍薬農家です。それに加えて、いろいろな花も作っていて、花のみの専業農家としてやっています。
Q. 花はどのくらいの種類を栽培しているのですか
A. 出荷していない試験中のものも含めると、40種類くらいあります。品目でいうと30品目くらい。品種でいうと、その3倍くらいの数はあるんじゃないかと思います

花づくりの失敗も、これからの展望も、明るく自然体で話してくれた江原さん。
会社員から、花農家へ
Q. 花農家になったきっかけは何だったのでしょうか?
A. もともとは、東京で食品メーカーのサラリーマンをしていました。その後、妻と結婚して、妻の実家がもともと花とキノコをやっていたことがきっかけです。そこから農業に入って、今で就農して9年目になります。
知識ゼロから、毎年少しずつ
Q. 農家になってから、大変だったことはありますか?
A. 農家になってから、めちゃくちゃ失敗しています。例えば、肥料設計を土壌診断に基づいて変えたことがありました。そうしたら、翌年に全然いい花ができなくて。芍薬って、肥料がすごくたくさん必要な花なんです。でも、そのことを知らずに変えてしまって、失敗してしまいました。
Q.そうした失敗を、どう乗り越えてきましたか?
A. とにかく知識ゼロからやっているので、毎年勉強です。一年ずつ、少しずつ知見や経験を増やしていく。それを翌年に生かす。それを地道に9年間続けてきた感じです。県内や県外の花の農家さんともつながって、視察に行ったりしています。こういう植物がいいとか、これは悪いとか、いろいろ教えてもらいながら、自分の畑に持ってきて実践しています。

「食べ物じゃないからこそ、感動を届けたい」。花農家として大切にしていることを、まっすぐ話してくれた。
食べられないものだからこそ
Q. 花を作る上で、大切にしていることはありますか?
A. 花は食べ物ではありません。だからこそ、シンプルに感動をお客さんに届けたいというのは、こだわりたいところです。お客さんが「よかった」「いいね」と思ってくれるものを作りたい。それはいつも考えています。
Hananonoという名前
Q. 「Hananono」という名前には、どんな意味があるのでしょうか?
A. イメージとしては、花が広がっている野原のような感じです。花畑のイメージですね。あとは、語感として「はなもの」という響きもあります。妻といろいろ相談して、それにしようという感じで決めました。
花の産地として続いていくために
Q. この地域について、今後どのようにしていきたいですか?
A. 地域が元気でいてほしいです。ただ、都会みたいな発展は全くいらないと思っています。今のままが続いてくれるのが、この地域にとっていいのかなと思います。自分が花の農家としてのロールモデルみたいな存在になれれば、後についてきてくれる人が出てくるかもしれない。そうすれば、花の産地として継続していけるのかなと思っています
地元に花を届ける
Q. 現在、新たな取組をはじめたと伺いました。
A. 試験的に、地元向けに花の届けサービスをやっています。そういうものを、観光地や近隣のホテルなどにも提供できたら、地域の魅力を見せる手助けができるのかなと思っています。個人的には社交的なタイプなので、いろいろなつながりをどんどん増やしていきたいです。花を作るだけではなくて、地域の中でどう届けていくかも考えていきたいです。

Hananonoで採れた芍薬、三礼加(みらいか)。
江原さんの話は、明るく聞こえながら、とても地道でした。
花を届ける仕事の裏側には、毎年少しずつ積み上げてきた経験がありました。
We Can
Hananonoでは、芍薬を中心に、さまざまな花を栽培しています。
試験中のものも含めると扱う花は約40種類あり、品種数ではさらに多くの花に向き合っています。
地元向けの花の届けサービスにも試験的に取り組んでおり、観光地や近隣ホテルなどに花を届けることで、地域の空間づくりや魅力の発信を手助けできる可能性があります。
また、花農家としての経験や、県内外の農家さんとのつながりを活かしながら、地域内外の方と連携していくことができます。
We Want
家族経営を中心に続けてきましたが、10年後を考えると、今の規模感のままでは難しい部分もあると感じています。
花づくりの技術はもちろん、販売やマーケティングの面でも、まだ伸ばしていきたい部分があります。
花の届けサービスや、観光地・ホテル向けの展開に関心のある方。
花の価値を一緒に伝えたり、販路づくりを考えたりできる方とつながれたら嬉しいです。
Next Relay
このバトンが、次へつながる。
保科バラ園 保科 利徳さん
同じ花農家として、いつも刺激をもらっている方です。バラ園を営みながら花の魅力を伝えている方なので、次にご紹介したいと思いました。