世界を股にかける眼科医療のパイオニア。地域から、人が輝く未来を創造する髙木一成の挑戦

2026.04.03

Relay From 株式会社小池えのき 代表取締役 古屋健太さんからバトンを受け取ったのは、株式会社タカギセイコー 代表取締役社長 髙木一成さんです。

長野県北信地域に本社を構えながら、その製品は世界80カ国以上の病院やクリニックで活用されている、眼科医療機器メーカー「株式会社タカギセイコー」。三代目として舵を取る髙木一成社長は、グローバルな視点を持ちながらも、地域への深い愛情と、働く人々への強い想いを抱いています。家業を継ぐことへの自然な道のり、経営者としての苦悩とそこから得た哲学、そして地域産業の未来を見据えるビジョンについて、率直な言葉でお話しいただきました。

世界80カ国へ。眼科医療の未来を拓く

Q. まずは、貴社の事業内容について教えていただけますか?

A. 私たちは眼科の医療器械メーカーとして、自社開発した機器を国内外の病院やクリニックに収めています。現在は80カ国以上の国々で弊社の製品が使われています。国内でも、北は北海道から南は沖縄まで、多くの眼科医療現場を支えています。

家業を継ぐということ。自然と芽生えた経営者のマインド

Q. 髙木社長がこのお仕事を始められた原点、家業を継がれた経緯についてお聞かせください。

A. 実は、前代表の父から直接的に「家業を継げ」と言われたことは一度もありませんでした。とはいえ、それ以外の周りの方々からは、子どもの頃から当然のように「跡取りだ」と言われて育ったんです。それが長い期間をかけた刷り込みとも言えるかもしれませんね。自然と家業に入るマインドが形成されていきました。たとえ一度他の仕事をしたとしても、いつかは家業に戻るだろうと、漠然とですが考えていましたね。父が国内外様々なところに出向いて活躍している姿を見て、多くのコネクションやネットワークを持っていることに、子どもながらに魅力を感じていたのかもしれません。

中野JC時代の活動の一幕。

多様な価値観との衝突、そして乗り越える道のり

Q. 経営者として、これまでの人生で最も大きな壁や挫折はどのようなことでしたか?

A. 入社時はいち社員でしたが、創業家の人間、そして役員、最終的には経営者となる中で、私の考え方と一般的なサラリーマン的な考え方とのギャップを感じることが多々ありました。「よかれ」と思って行動しても、なかなかかみ合わない部分があったんです。事業を成長させていこうと思うと、やはり人を増やさないといけない。私が社長になってから、社員は100名近く増えました。新卒だけでなく中途採用も多く、それぞれの過去のキャリアや考え方がある。それが会社に良い影響を与える面もあれば、そうでないこともあります。もともとあった土壌と、新しい経営方針とのギャップ、さらには従業員同士の価値観の違いも、壁として感じることがありましたね。

Q. その壁をどのように乗り越えてこられたのでしょうか?

A. その壁は常に存在するものではありますが、今は消化できるようになってきました。やはり経験や慣れによるところが大きいですね。もともといた社員の皆さんにも協力してもらいながら。社会情勢的にも物価が上がる世の中ですから、売上を伸ばしていかなければならないという状況もあります。私が社長になってから経営計画を発表したのですが、当時「これを実現できる」と思った社員はわずか5%しかいなかったんです。それでも、その経営数値目標は無事に達成することができました。

同じく中野JC時代。監事として事業講評を行う場面。

従業員の主体性を尊重する、髙木流経営哲学

Q. 仕事をする上で、髙木社長が大切にされている「こだわり」や「ルール」はありますか?

A. 私個人のこだわりというよりは、従業員さんが主体的に働けるようにすることを重視しています。それぞれの職位や職責に応じて、言われたことだけをやるのでは面白くない。トップダウンだけで全てを進めてしまうと、自分の能力を超えたものは生み出せません。特に技術や専門職の方々には、ある程度任せるべきだと考えています。そうすることで、主体的に動いてもらえる。経営方針や会社の大きなリソースのジャッジは私がしますが、任せるところは任せる。結果として、良い人が集まってくれると信じています。

地域とともに、産業を未来へつなぐ

Q. この地域を今後どのようにしていきたいですか?未来へのビジョンをお聞かせください。

A. 地域は、本当にいろいろな人が力を合わせてつくるべきものだと思います。私としては経営者として、この地域の産業を発展させていくことに尽力したい。この地域で「働きたい」と思ってもらえるような産業をつくることが、私自身の地域貢献だと考えています。それを実現していきたいですね。

地域の未来をより良くするために奔走する、活動中の一コマ。ビジネスの場とはまた違う雰囲気

編集後記

世界を舞台に活躍しながらも、その根底には地域への深い思いと、働く人々への敬意が息づく髙木社長。その視線の先には、北信地域から世界へと広がる産業の未来が確かに見えました。

We Can

会社の仕組みづくりのノウハウは提供できると思います。例えば、横一列の組織化やメンター制度、新規採用職員の離職率を下げるための様々なトライなど、工夫してやってきた部分がありますので、そうした経験をお伝えできますね。

We Want

また、これから65歳以上の高齢者の方々を雇用していく社会が訪れます。そうした方々が生き生きと働ける環境づくりについて、知見をお持ちの方や、共に考えられる方とぜひ繋がっていきたいです。

Next Relay

このバトンが、次へつながる。

株式会社こころね 上田 泰貴さん

JCで共に活動をしていました。