コロナ禍が指し示した故郷の道。小玉農園・小玉治駒が育む、中野市産ぶどうの新たな輝き

2026.03.10

Relay From 荻原 和博さん(荻原農園)からのご紹介。農業の仲間として、互いに刺激し合っているという小玉治駒さんをご紹介いただきました。

北信地域に広がる豊かな大地で、ひときわ輝きを放つぶどう。今回ご紹介するのは、中野市でぶどう農家を営む「小玉農園」の小玉治駒さんです。一度は故郷を離れ、大田市場の仲卸業者として食の流通の最前線に身を置いていましたが、あるきっかけで再びこの地へ。土に触れ、ぶどうと向き合う日々の中で、彼が見つけた「本当に美味しいもの」を届けるという情熱。その原点と未来への思いを深掘りしました。

市場から故郷へ。一粒に懸ける情熱の原点

Q. まずは、小玉さんがぶどう農家を継ぐことになったきっかけを教えていただけますか? 大田市場でのご経験も気になります。

A. はい。もともと実家が農家だったので、いつかは帰ってくるんだろうなとは思っていました。ただ、すぐに継ぐというよりは、一度外の世界を見てみたいという気持ちが強かったんです。それで、大学卒業後に大田市場の仲卸業者で働きました。全国から集まる様々な農産物を見て、良いものとそうでないものの違い、流通の仕組み、消費者が何を求めているのかを肌で感じることができました。でも、コロナ禍で市場の状況も大きく変わり、これを機に地元に戻って親元で農業を始めることを決意しました。

初年度の苦悩と、地域がくれた温かい光

Q. 市場での経験は大きな強みになりそうですが、実際に就農されてから、特に印象に残っている苦労や挫折はありましたか?

A. 一番大きかったのは、就農一年目のことですね。シャインマスカットを栽培していたのですが、一部園地で「未熟粒」になってしまって。JAへの出荷基準を満たせず、ほとんど出荷できないという事態に直面しました。もう、目の前が真っ暗になりましたね。自分の知識や技術の未熟さを痛感しました。

Q. それは大変な経験でしたね。その大きな壁を、どのように乗り越えられたのでしょうか?

A. 本当にどうしようかと悩んでいたんですが、同じ地区のぶどう農家の先輩方が、親身になってアドバイスをくださったんです。「こうすればいい」「ああすればもっと良くなる」って、具体的な栽培方法から、ぶどうの状態を見極めるコツまで、惜しみなく教えてくださいました。地域にはこんなに温かい人たちがいるんだなって、改めて実感しましたし、先輩方の支えがなければ、あの挫折から立ち直れなかったと思います。本当に感謝しかありません。

ぶどうに込める、小玉農園の揺るぎない哲学

Q. 地域の方々との繋がりが、小玉さんの大きな力になったのですね。では、現在、シャインマスカットやクイーンルージュなど、様々な品種のぶどうを栽培されていますが、美味しいぶどうを作る上で、小玉さんが特に大切にされている「こだわり」や「ルール」は何でしょうか?

A. シンプルですが、一番は「美味いものを消費者の方に提供する」ということです。市場で働いていた経験があるからこそ、お客様の期待に応える味を届けたいという気持ちが強いんです。そのためには、一つ一つのぶどうと真剣に向き合い、その品種が持つ最高のポテンシャルを引き出すための栽培を心がけています。手間を惜しまず、愛情を込めて育てれば、必ず美味しいぶどうができると信じています。

 

中野市の未来を、第一次産業が牽引する日

Q. 「美味いもの」への強いこだわり、素晴らしいですね。最後に、小玉さんが思い描く、この北信地域、特に中野市の未来像について聞かせてください。

A. 中野市は本当に農業が盛んな地域です。私は、この第一次産業がもっともっと活性化して、地域全体を引っ張っていく存在になるべきだと考えています。美味しい農産物を通じて、中野市の魅力を全国に発信し、若い世代が「ここで農業をしたい」「ここで暮らしたい」と思えるような、活気ある地域にしていきたいですね。そのためにも、自分自身が常に学び、質の高いぶどうを作り続け、地域農業の発展に貢献していきたいと思っています。

市場での経験と、故郷の土、そして地域の温かさに支えられながら、一粒一粒に情熱を注ぐ小玉治駒さん。彼のぶどうには、食への深い洞察と、故郷への揺るぎない愛情が込められています。小玉農園が描く、第一次産業が中野市を牽引する未来。その実現に向けて、小玉さんの挑戦はこれからも力強く続いていきます。

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